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小さな街の中で [作者:たぬき]

■第2話 [3/3]

「よう真生。また2年同じクラスだな。」
ふいに、真生の隣の席のヤツが話しかけてきた。もうすぐで眠りにつこうとしていた真生は、
少しイライラしながら顔を上げる。が、イライラはすぐに吹き飛んだ。
イライラの代わりに、本日二度目の
「げっ」
隣の席にいるのは、細田浩樹――前髪が少し長めで、目がパッチリ、背は男子の平均くらいで、
女子に密かにモテている男子だ。余談だが、真生と浩樹は別の土地の小学校で、3年生のとき知
り合い、浩樹は小学校5年のときにココに引っ越してきた。そして、たまたま浩樹の後を追うように、
真生は小学生6年生のときにココに引っ越してきたのだが、小5の一年間を除けば、二人はずっと同じクラスだった。
「なんでまたアンタかなぁ…」
「知るか。流石に高等部に上がったら違うクラスだろうけど…」
「それ中1のときも言ったわよね…中2になったら違うクラスって…」
「いや、高等部はクラスいっぱいあるし」
「ああ、そうですか。っていうかアンタと話すと他の女子に白い目で見られるからヤなんだけど」
「そうかなぁ?」
早速真生には一つ視線が突き刺さっていた。真生を睨むその女子は、工藤咲
――ツインテールで目がつっている、いつもクラスの中心にいるようなボス的存在。小六のころも
同じクラスで、真生をいつも敵対視している。
「そうかなぁ?じゃないわよ。いい迷惑」
「オレに言われても…」
少し浩樹が困っていると、
「そこ。静かにしなさい。」
優一はすばやく注意した。そして、
「でもまぁ、これで連絡終わり。放課!」
真生はホッと一安心だったが
「………。」
浩樹は少し残念そうだった。


「このクラスのメンバーって微妙じゃない?」
美里が言った。部活も終わった帰り道、美里と真生は一緒に帰っていた。
「なんで?」
「なんかうれしいような、嫌なような…。」
「だから、なんで?」
「先生カッコイイし、浩樹君いるし、近藤さんいるからうれしいんだけど…」
美里の言う「近藤さん」こと、近藤真希は髪が長くておしとやか。男女問わず人気がある。
「工藤咲と仲間たち。私苦手なのさ」
「私はもう慣れたけど。小六のときで」
「え?!ってことは小六のときも同じクラスだったの?可哀相に」
「引っ越してきて早々ね…」
「でもアンタ、浩樹君とも同じクラスだったんでしょ?」
「引っ越してきて早々ね!」
「運命よね〜〜。付き合っちゃえば?」
「まだ中学校二年生ですよ?私そんなにませてません。
  しかも好きじゃないし」
「しかも女子に白い目で見られる!!私とか」
「分かってるなら言うな!!!」
ベラベラ勝手なことを喋りながら、二人はそれぞれの家に帰る。

↓目次

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